
夫が奇跡的な職場復帰を果たしてから、あっという間に8ヶ月が過ぎました。
仕事には戻れた。
高次脳機能障害の症状も、リハビリのおかげで少しずつ回復してきた。
周囲から見れば、『本当に良かったね』と、無事に日常を取り戻したように見えていたと思います。
でも、私たちの現実は、そう簡単ではありませんでした。
夫は相変わらず、家でお酒もタバコも続けていました。
何度も命を落としかけた。
3回も開頭手術を受けた。
それなのに、どうしてもお酒をやめることはできませんでした。
『週に2日は休肝日にする』と約束しても、続かない。
酔えば、人が変わったように暴言も出ます。
私は、ずっと心の中で思っていました。
どうして分からないんだろう。
自分の不摂生で、身体を壊したこと。
家族や職場に、どれだけ迷惑と心配をかけたこと。
そして、ギリギリのところで命を救われたこと。
普通なら。
普通なら、お酒もタバコもやめるんじゃないか。
そう思って、怒りと虚しさでいっぱいでした。
でも、今あの頃を振り返ると。
本当にギリギリのところで追い詰められていたのは、夫だけではありませんでした。
私自身も、完全に限界に近づいていました。
夜、眠れない。
頭が痛い。
耳鳴りがする。
胸が苦しい。動悸がする。
異常なほど汗が出る。
他にも、色々な不調が体中に現れていました。
その状態が、3ヶ月以上も続いていました。
私は『更年期障害』だと思っていました。
年齢的にも、時期としておかしくない。
だから、**これはみんなが通る道なんだ**と、自分に言い聞かせて必死に耐えていました。
でも、自分でも『何かがおかしい』と感じていました。
そこで産婦人科を受診し、血液検査を受けました。
結果は。
ホルモン値はすべて正常。更年期障害ではありませんでした。
医師からの診断は、
**自律神経失調症**でした。
その頃の私は、
夫が家で『お酒を飲み始める』という行動を見るだけで、身体が勝手に反応していました。
夫がドアを強く閉める音で、動悸がする。
夫の舌打ちが聞こえるだけで、頭痛がする。
視線を向けられるだけで、耳鳴りやめまいが起きる。
自分でも驚くほど、心と体が拒絶反応を起こしていました。
だから私は、なるべく夫と同じ空間にいないようにしました。
会話も、極力避けました。
刺激を受けないように。
これ以上、自分が壊れないように、自分を守るために。
でも、それは逆効果だと言われました。
今感じている苦しさ(夫への嫌悪感)を避け続けると、いつか完全に夫を受け入れられなくなることもある、と。
だったら、ちゃんと話し合った方がいいのかもしれない。
でも、迷いもありました。
夫は今、私のことを本当に心配しているのだろうか。
『うるさいから放っておいてほしい』だけなのだろうか。
そもそも、私のこの苦しさを伝えても、理解してもらえるのだろうか。
それとも、ただお互いが深く傷つくだけなのだろうか。
答えは分かりませんでした。
そんな、綱渡りのような毎日を過ごしていた、
職場復帰から8ヶ月目のある日。
私のスマホに突然、夫の職場から連絡が入りました。
「ご主人が、倒れました」と。
恐れていた、『3回目』のてんかん発作でした。
職場は近いので、すぐに駆けつけました。
そのまま救急搬送され、緊急入院。4日間。
ようやく少し落ち着いたと思っていた私たちの日常は、
こうしてまた、音を立てて大きく崩れ始めました。
次回は、
**【職場で起きた3回目の発作と、見えてきた現実】**
について書こうと思います。
