【第二十四話】自律神経失調症。夫の酒と暴言に壊れていく私の心と、3度目の発作

夫が奇跡的な職場復帰を果たしてから、あっという間に8ヶ月が過ぎました。

仕事には戻れた。
高次脳機能障害の症状も、リハビリのおかげで少しずつ回復してきた。
周囲から見れば、『本当に良かったね』と、無事に日常を取り戻したように見えていたと思います。

でも、私たちの現実は、そう簡単ではありませんでした。

夫は相変わらず、家でお酒もタバコも続けていました。

何度も命を落としかけた。
3回も開頭手術を受けた。

それなのに、どうしてもお酒をやめることはできませんでした。
『週に2日は休肝日にする』と約束しても、続かない。
酔えば、人が変わったように暴言も出ます。

私は、ずっと心の中で思っていました。

どうして分からないんだろう。
自分の不摂生で、身体を壊したこと。
家族や職場に、どれだけ迷惑と心配をかけたこと。
そして、ギリギリのところで命を救われたこと。

普通なら。
普通なら、お酒もタバコもやめるんじゃないか。

そう思って、怒りと虚しさでいっぱいでした。

でも、今あの頃を振り返ると。
本当にギリギリのところで追い詰められていたのは、夫だけではありませんでした。

私自身も、完全に限界に近づいていました。

夜、眠れない。
頭が痛い。
耳鳴りがする。
胸が苦しい。動悸がする。
異常なほど汗が出る。

他にも、色々な不調が体中に現れていました。
その状態が、3ヶ月以上も続いていました。

私は『更年期障害』だと思っていました。
年齢的にも、時期としておかしくない。
だから、**これはみんなが通る道なんだ**と、自分に言い聞かせて必死に耐えていました。

でも、自分でも『何かがおかしい』と感じていました。
そこで産婦人科を受診し、血液検査を受けました。

結果は。
ホルモン値はすべて正常。更年期障害ではありませんでした。

医師からの診断は、
**自律神経失調症**でした。

その頃の私は、
夫が家で『お酒を飲み始める』という行動を見るだけで、身体が勝手に反応していました。

夫がドアを強く閉める音で、動悸がする。
夫の舌打ちが聞こえるだけで、頭痛がする。
視線を向けられるだけで、耳鳴りやめまいが起きる。

自分でも驚くほど、心と体が拒絶反応を起こしていました。

だから私は、なるべく夫と同じ空間にいないようにしました。
会話も、極力避けました。

刺激を受けないように。
これ以上、自分が壊れないように、自分を守るために。

でも、それは逆効果だと言われました。
今感じている苦しさ(夫への嫌悪感)を避け続けると、いつか完全に夫を受け入れられなくなることもある、と。

だったら、ちゃんと話し合った方がいいのかもしれない。

でも、迷いもありました。
夫は今、私のことを本当に心配しているのだろうか。
『うるさいから放っておいてほしい』だけなのだろうか。

そもそも、私のこの苦しさを伝えても、理解してもらえるのだろうか。
それとも、ただお互いが深く傷つくだけなのだろうか。

答えは分かりませんでした。

そんな、綱渡りのような毎日を過ごしていた、
職場復帰から8ヶ月目のある日。

私のスマホに突然、夫の職場から連絡が入りました。

「ご主人が、倒れました」と。

恐れていた、『3回目』のてんかん発作でした。

職場は近いので、すぐに駆けつけました。
そのまま救急搬送され、緊急入院。4日間。

ようやく少し落ち着いたと思っていた私たちの日常は、
こうしてまた、音を立てて大きく崩れ始めました。

次回は、
**【職場で起きた3回目の発作と、見えてきた現実】**
について書こうと思います。

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